石原慎太郎著『フォアビート・ノスタルジー』
石原慎太郎(著) 文藝春秋 (2015/8/27) 石原慎太郎『フォアビート・ノスタルジー』を読んだ。著者81歳の時の恋愛長編小説だが、どうしてかう若い文章が書けるのかといふやうな筆の艶だ。女性を恋する事に対する作者の全...
石原慎太郎(著) 文藝春秋 (2015/8/27) 石原慎太郎『フォアビート・ノスタルジー』を読んだ。著者81歳の時の恋愛長編小説だが、どうしてかう若い文章が書けるのかといふやうな筆の艶だ。女性を恋する事に対する作者の全...
蝸牛庵は言ふまでもなく、幸田露伴が自邸につけた洒落である。 「蝸牛庵と言ふのはね、あれは家がないということさ。身一つで何処へでも行つてしまふといふわけさ。昔も蝸牛庵、今もますます蝸牛庵だ。」 小林勇は、岩波茂雄の娘...
《ニーベルングの指環》四部作の簡潔な概説書である。 《指環》を論じる事は、ある意味でトートロジーに近い。と言ふのも、《指輪》といふ作品は、その全てがあらゆる方向からなされた自己解説と言つていいものだからだ。歴史上の記...
(旧ブログ「ザ・クラシック評論」2008年04月09日より) アルマの文章が、マーラーのシンフォニーの最上の演奏のやうだといふことを、説明するのには、彼女自身の文章を引くに若くはない。例へば、彼女が、自分の2度の出産を...
(旧ブログ「ザ・クラシック評論」2008年04月08日より) 白状するが、私はアルマのこの有名な囘想録を生れて始めて讀む。私の音樂的青春は、マーラー流行と重なり、重要なマーラー指揮者と呼ばれる人の生演奏は、バーンスタイ...